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貧血

貧血とは、血液中の赤血球に含まれる「ヘモグロビン」という色素の濃度が低下した状態を指します。

ヘモグロビンは赤血球の中に含まれ、体内の酸素を全身に運ぶ役割を果たしています。そのため、ヘモグロビン量が不足すると体中が酸欠状態に陥り、顔色の変化、動悸、息切れ、疲労感、倦怠感、めまいなどの貧血症状が現れます。このヘモグロビンは赤血球内で主に鉄を原料として合成されます。したがって、体内の鉄分が不足すると貧血が生じます。また、赤血球の数が減少しても同様に貧血が起こります。

貧血の診断には、成人男性でヘモグロビン値が13g/dL未満、成人女性で12g/dL未満の場合、貧血と診断されます。

1.貧血の検査と診断

♦赤血球数(RBC)は血液中の赤血球の数を示します。
♦ヘモグロビン(Hb)は血色素とも呼ばれ、その低下が貧血の主要な指標です。
♦ヘマトクリット(Ht)は血液中の赤血球の割合を示し、貧血時には低値を示します。
♦平均赤血球容積(MCV)は1個の赤血球の平均体積を表し、貧血の種類を鑑別する指標として使われます。
    MCV(fl)=Ht(%)×10/赤血球数RBC(10⁶/μl)
♦平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)は1個の赤血球に含まれるヘモグロビンの平均量を示します。
    MCH(pg)=Hb(g/dl)×10/赤血球数RBC(10⁶/μl)
♦血清鉄(Fe)は血液中の鉄の量を示し、貧血の原因や種類を判断する際に重要です。

2.貧血の原因と分類

貧血の原因としては、鉄分の不足、造血機能の低下、赤血球の破壊増加(溶血)、および出血が挙げられます。

貧血の分類(MCVによる分類):
1.80fL未満 - 小球性貧血
2.80fL以上100fL未満 - 正球性貧血
3.100fL以上 - 大球性貧血

小球性貧血は赤血球が通常よりも小さい状態で、ヘモグロビンの材料が不足しているために起こります。貧血で最も頻度が多い鉄欠乏性貧血は小球性貧血に分類されます。

大球性貧血は逆に赤血球が通常より大きく、必要な物質が不足しています。

正球性貧血は赤血球の大きさは正常ですが、出血や溶血、造血機能の問題などが原因です。

3.鉄欠乏性貧血

鉄分が不足するとヘモグロビンが合成できなくなり貧血となります。鉄欠乏性貧血の主な原因としては、消化管からの出血(胃や十二指腸の潰瘍、炎症、がん)、月経過多や婦人科疾患による出血、偏食による鉄分不足、吸収障害(胃・小腸の手術、胃炎、特定の薬物)、体の成長や妊娠に伴う鉄の需要増加などがあります。

当院では婦人科と内科の両方を受診可能です。貧血が心配な方はぜひ当院へご相談ください。