内科・消化器内科・肝臓内科
高尿酸血症・痛風
体内の重要な遺伝情報である核酸が代謝・分解されてプリン体となり、最終的に尿酸になります。プリン体は細胞や食品中などに含まれています。血液中の尿酸のほとんどは、肝臓・骨髄・筋肉で生成されます。一部は、動物・植物などのプリン体が含まれる食物より吸収され、小腸で尿酸へと合成されます。体内で産生された尿酸は、血中の尿酸値に応じて、腎臓で過剰な尿酸が濾過され尿として排泄されます。
産生が排泄を上回れば、高尿酸血症や組織中の尿酸蓄積を生じ、痛風発作や腎機能障害を引き起こします。
尿酸値が7.0mg/dlを超えた状態が「高尿酸血症」です。
対策
食事
尿酸値が高くなる原因の1つは食品に含まれるプリン体の取り過ぎです。プリン体を多く含む動物の内臓や魚の干物は食べ過ぎてはいけません。
肥満になると尿酸を作りやすく排泄しにくい状態になりますので,食べ過ぎをやめて適正な体重に戻すことが,プリン体の摂取制限よりも実は大切だと最近では考えられています。
アルコール
アルコール飲料は血清尿酸値を増加させます。特にビールはプリン体を多く含んでいます。
推奨されるアルコール1日量はビール500ml以下、日本酒1合以下、ウイスキー60ml以下です。
運動
ジョギングなどの軽く汗をかく程度の有酸素運動が勧められています。
ストレス
ストレスが尿酸値を上昇させると言われています。
薬物治療
生活指導を行うも、尿酸値9mg/dl以上の場合は、薬物治療を検討します。
尿酸排泄促進薬と尿酸生成抑制薬があり、最近は後者をよく用います。尿酸値6mg/dl以下が目標です。
痛風発作を発症した場合は、飲酒と高プリン・高蛋白食を禁じ、対症療法として鎮痛薬にて関節炎を治療します。また、少量からの尿酸降下薬を開始します。