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大腸ポリープと腺腫

ポリープとは大腸粘膜が内腔に向かって限局性に隆起する病変です。組織学的に分類され、良性と悪性(癌)があります。
良性ポリープには、腺腫(せんしゅ)、過形成ポリープ、炎症性ポリープなどがあります。

ポリープの中で一番頻度が多いのが腺腫です。

この腺腫の一部は放っておくと大きくなり、次第に性質が変わって、悪性の「がん」に育っていく可能性があります。
そのため腫瘍性ポリープに分類されます。腺腫と早期がんは別のものではなく、腺腫の中の細胞の一部ががんに変化し、「腺腫内がん」の状態になります。

腺腫は、がんの予備群、あるいは前がん病変と考えてもいいと思います。

ポリープの診断は、典型的であれば内視鏡での観察で判断できます。

時には拡大強調画像などで判断します。一番は大きさが性質を予想する判断基準です。
腺腫が大きくなるに従い、一部ががん化している頻度が高くなります。6-9mmのもので3.3%、1㎝を超えると28.2%程度とされています。

「がん」になる前に取り除くのが理想なので、腺腫と思われるポリープでも1cmを超えたら治療適応で、5mmを超えたらとった方が良いと考えます。
5mmより小さければ、とらずに経過観察となります。しかし、がんの成分と腺腫の成分は見た目や大きさでは区別がつかず顕微鏡でみてみないとわからないないことがあります。

5mmより小さくても表面が不整のものや、がんとの区別が難しい場合は治療適応になります。

腺腫では、ほとんどが内視鏡治療可能ですが、合併するがんが粘膜の深い部分まで浸潤していたり、リンパ節転移がある場合は外科手術となります。