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頭痛

国内では4人に一人は頭痛もちともいわれ、頻度の高い疾患です。

仕事のみではなく、日常生活に支障が生じて困っている患者さんは多いと思われます。
我慢できないと、市販の鎮痛剤で対応していることがあるのではないでしょうか。

鎮痛剤が効果あるから大丈夫とも言えません。
頭痛には、軽微なものから命にかかわったり、生活に支障をきたすものまで様々な病態があります。

頭痛の診断や治療について説明します。

頭痛がおきる原因

頭部の血管や神経が圧迫され刺激を受けたり、炎症を起こすことによって生じます。
頭部周囲の筋肉の伸縮によることもあります。

頭痛のタイプは一次性頭痛と二次性頭痛の大きく2つに分類されます。

  • 一次性頭痛:頭痛そのものが病気である頭痛。
    片頭痛や緊張型頭痛のように繰り返し起こる慢性頭痛。
  • 二次性頭痛:脳や他の疾患が原因となって起こる頭痛。
    くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎など命に関わる頭痛も含まれる。

◎ 一次性頭痛

1. 緊張型頭痛

最も一般的な頭痛で、一次性頭痛の中でも最も頻度の高い頭痛です。痛みの持続時間は30分から7日間と幅があります。身体的疲労や精神的ストレスにより起こることが多いとされています。
片頭痛と比べ痛みの程度が軽く、頭痛が時間ともに徐々に悪化することは少なく、日常動作による痛みの悪化もありません。緊張型頭痛では、運動や入浴により改善することが多いです。嘔気などの消化器症状はあっても軽度であり、光や音に対する過敏性もありません。
ただし、緊張型頭痛は頻回に生じることが多く、慢性化すると片頭痛との鑑別が難しくなることがあります。緊張型頭痛に片頭痛が併存することもあります。

治療として非薬物療法と薬物療法があります。

非薬物療法には、頭痛体操などの運動プログラムがあります。首や後頭部の筋肉をリラックスさせる方法です。予防療法のみではなく、頭痛発作時にも有効とされます。発作時にも体を動かしたり、シャワーを浴びて体を温めることで頭痛が改善することもあります。ただし、片頭痛の際には、体を温めると頭痛が悪化してしまうので注意しましょう。

緊張型頭痛の危険因子や誘因にもストレスや肥満、運動不足、睡眠障害などがあげられます。特にパソコンやスマートフォンによるブルーライトの暴露は睡眠に影響することが分かっています。

薬物療法
急性期にはアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの鎮痛薬は有効です。筋肉のこりがある人には、筋肉の血流を上げる内服薬を処方します。

2. 片頭痛

若い人に多くみられる頭痛で、女性に多い傾向がみられます。ズキズキと脈打つ頭痛が片側性に起こり、吐き気、嘔吐を伴うことがあります。持続時間は4から72時間です。
光や音・匂いに過敏になる方もいます。
目がちかちかする、視野が欠損するといった視覚症状やしびれやチクチクなどの感覚障害といった前駆症状があるのも特徴です。
ひとつの原因で発症することは少なく疲労、睡眠、天候などいくつかの誘因が重なって頭痛をきたすと考えられます。
治療には発作時の急性期治療と予防治療があります。急性期では、アセトアミノフェンやロキソニンなどの鎮痛剤、漢方薬、トリプタン製剤などを使用します。鎮痛剤やトリプタンの使用過多は薬物乱用頭痛を引き起こしますので、注意が必要です。

予防薬には内服薬や注射製剤があります。
片頭痛の誘因であるストレス、精神的緊張、疲労の回避も重要です。

3. 薬物乱用頭痛

頭痛薬を飲む回数が増えると、頭痛に過敏になり、頭痛を自覚する回数が増えてしまいます。結果的に、頭痛の回数や持続時間が増加して。頭痛の症状が悪化・慢性化した状態となります。鎮痛薬を3か月を超えて、15回/月以上内服すると薬物使用過多による頭痛となります。
使用過多による頭痛の対策は、頭痛薬をやめることです。鎮痛薬の内服過多を防ぐのに難渋することもあり、専門医への受診が必要な場合もあります。

◎ 二次性頭痛

脳の病気によって頭痛をきたす場合は、危険な頭痛です。脳出血、脳腫瘍など、何か原因があって頭痛が症状として現れている頭痛(二次性頭痛)です。急な突然の強い頭痛、麻痺や意識障害を伴う頭痛、高齢者の頭痛は、早急な検査が必要となりますので、医療機関の受診が必要です。

頭痛で困っている方は、念のためかかりつけ医の受診し、予防、生活上の注意を取り入れ、頭痛のない生活を目指していきたいものです。