内科・消化器内科・肝臓内科
インフルエンザ
潜伏期は1〜2日、飛沫感染で感染します。38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感といった全身症状のほか、のどの痛み、鼻水、咳など風邪と同じような症状もみられます。通常の風邪と比べて急激に強い症状があらわれることが特徴です。
1999年インフルエンザウイルスの抗原を検出する迅速診断キットが発売され、2001年に抗インフルエンザウイルス薬のタミフルとリレンザが保険適用となりました。
迅速検査では、発症後一定の時間が経過しないと陽性にならないことがあり、発症後12時間以降の検査実施が勧められています。一方、流行期で、職場や学校などで集団内発症であれば症状から診断はほぼ確実なため、検査結果にかかわらず診断・治療可能です。
抗インフルエンザ薬の効果については、発症から投与までの時間が短いほど有熱期間の短縮が期待され、48時間以内に投与を行えば効果があるとされています。
治療薬は5種類あります。
内服薬はタミフルとゾフルーザ錠、吸入薬はリレンザとイナビルがあります。ラピアクタ点滴薬は高齢者の重症患者さん向けと考えています。タミフルはカプセルと小児用のドライシロップがあります。これらから一つを選択して治療します。
増殖したウイルスが細胞から遊離するのを阻害する薬剤が、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタの4剤です。ゾフルーザはインフルエンザウイルスの複製を阻害しウイルス増殖を抑制します。1回の内服で治療が終了するため、負担は少ないのですが、変異ウイルスの出現が高いことが議論になっています。2019年10月日本感染症学会は、12歳未満の小児に対するゾフルーザは慎重投与とするよう提言しました。薬が効きにくくなる変異ウイルス出現が他の薬より髙いことが理由です。
- 5歳未満
- 5歳~15歳未満
- 15歳以上
- 妊産婦
タミフル(ドライシロップ)を第一選択と考えます。
内服薬か吸入か、確実に服薬できる剤形の使用を検討します。吸入方法を理解できない小児には吸入薬は困難と思われます。タミフルは、平成30年8月より10歳代でも使用可能となりました。
タミフルカプセル、リレンザ吸入薬、イナビル吸入薬、ゾフルーザ錠の使用を考慮します。タミフル、リレンザは1日2回、5日間の服薬が必要で、イナビルとゾフルーザは1回の治療です。
妊娠全期間ならびに授乳中は、タミフルまたはリレンザが投与可能です。