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肝臓の病気の話

肝臓は、右上腹部にあり成人では1.2〜1.5Kgほどある大きな臓器です。腸で吸収された栄養素から身体に必要な成分を合成したり、余ったエネルギーを貯蔵したりします。
また役割を終えた蛋白質などの分解や、薬物やアルコールの解毒なども肝臓の仕事です。
このように肝臓は、いわば化学工場のような働きをする大変重要な臓器であり、少しくらいの障害が加わっても支障がでないように、もともと予備の力が豊富に備わっています。静かに我慢強く働き続けるために「沈黙の臓器」とも言われ、少々の負担はもちろんのこと、ある程度病気が進行しても症状を出さないことも多く、「自覚症状がないから肝臓は大丈夫だ」とは言えないのです。

健康診断など血液検査ALT(GPT)やγGTPなどに異常がみられたら、それは肝臓が出しているSOSのサインかもしれません。肝臓を障害する原因はさまざまであり、その病気や対処の方法が異なります。放置せずに何が原因となっているのか詳しく調べましょう。

肝臓の病気の中で、これまでに最も問題となっていたウイルス性肝炎です。B型またはC型肝炎ウイルスの感染によって肝炎を起こします。慢性肝炎、肝硬変、肝癌へと進むことがありますので注意が必要です。肝臓癌の原因の約65%はC型肝炎ウイルスと言われています。
ですから、早めの治療が重要です。

C型肝炎ウイルスの患者さんは、日本国内に100人に一人の割合でいると言われています。多くの感染者がいるために国民病とまで言われていました。1989年(平成元年)に発見されたウイルス感染症で、当時は治療法がなく肝臓癌を発症する不治の病気とされていました。
近年、非常に効果の高い新薬が次々と登場し、98%以上の患者さんに完治が期待できるようになっています。新薬は内服治療にて体内から肝炎ウイルスを永久的に排除でき、肝炎の改善を得ることができます。また、新薬は副作用がほとんどなく高齢者にも使いやすい薬です。B型肝炎も治療薬が開発され、ウイルスを陰性化することができています。

アルコール性肝障害や薬物性肝障害は、まだまだ一定の割合で発症しています。少ないながら自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎などの自己免疫性肝疾患も存在します。今後増えつつあるのは、メタボリック症候群や生活習慣病を背景とした非アルコール性脂肪肝疾患です。